510のプロと板金のプロがタッグを組んだことで漂う「仕立ての良さ」|70年式 ダットサン ブルーバード 1300 DX Vol.3

       
余計な配線を隠し、スムージングを施したダットサン ブルーバード 1300 DX。
エンジンルームは「きれいなクルマ作り」を信条とするリフレッシュ60ならではのフィニッシュで、外装に負けない「仕立ての良さ」が感じられる。

 L型に比べてパワーは出ないと言われているFJ20型だが、吸排気がクロスフロー化されるのでキャブがエキマニの熱を拾うことがなくなるほか、4バルブツインカムの乗り味を510で楽しめるという大きなメリットもある。SR20型などと比べ旧式なエンジンということもあり、ヘッドカバーが古めかしいデザインなので、モダンになり過ぎないのもポイントだろう。

 510のプロと板金のプロがタッグを組んだことが、このクルマから漂う「仕立ての良さ」の正体だったわけだが、それが実現したのはオーナーの並々ならぬ情熱があってこそ。この510は、大人が楽しむ旧車の好サンプルといえるだろう。


オーナーが購入した時点で既に搭載されていたというFJ20型。しかし配線の取り回しがかなり悪かったため、リフレッシュ60がすべてのフィッティングをやり直している。エンジン本体も組み直し、亀有のφ91mmピストンを使って2.1L化。コンロッド、カムも交換したファインチューンとなっている。ヘッドカバーはターボ用を流用。



キャブはウエーバー45DCOE9を2連装。黒アルマイトのフィッティングを駆使してエンジンルームの色調を統一している。



ブレンボ装着に伴いマスターシリンダーは7/8サイズに拡大。マスターバック部分のアダプターはビレット製でリフレッシュ60のオリジナル。



追加メーターは旧車向けにデザインされたDefiのADVANCE RSシリーズ。油圧、油温、水温をセンターコンソールにセット。内装同様のシボ感のあるパネルを使って、自然に配置している。



ブレーキはブレンボキャリパーにφ280mmベンチレーテッドローターの組み合わせ。当初ホイールとの干渉が心配されたが、見事にマッチした。



さまざまなカスタムスタイルがハマる、懐の深さが魅力の510ブルーバード。
和風にも洋風にも味付けできるその振れ幅を楽しむのもいいが、この510のように、ただひたすらに「良いクルマ」を目指すのも悪くない。

SPECIFICATION 70年式 ダットサン ブルーバード 1300 DX
●エンジン:FJ20型改2.1L仕様、亀有製φ91mm鍛造ピストン、オートサービス渡辺製クロモリコンロッド、70度カム、ポート加工
●吸気系:ウエーバー45DCOE9
●排気系:φ45mmタコ足、φ60mmマフラー
●駆動系:クロモリフライホイール、71Cミッション、R180LSD
●足回り:F:GC10ストラット改車高調(9kgスプリング)、ピロテンションロッド、ピロアッパー、25mmロールセンターアダプター R:16kgスプリング、TRD製ショック改、各部ウレタンブッシュ
●ブレーキ:F:ブレンボキャリパー、280mmベンチローター、7/8マスターシリンダー
●ホイール:ハヤシ・ストリート F:7J×15+13、R:8J×15±0
●タイヤ:ダンロップ DIREZZA F:195/50R15 R:205/50R15
●エクステリア:がれぇじアルティア製エアダムタイプスポイラー、永遠ボディー製ワンオフアルミボンネット
●インテリア:ベンチシート


掲載:Nostalgic SPEED vol.004 2014年 07月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Takayoshi Suzuki/鈴木貴義 photo:Akio Hirano/平野陽

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