サバンナ、セリカXX、レガシィ、そして80年代へ! 日本の自動車史において特別な役割を果たしてきた「GT」|ジャパニーズGTカーの誇り Vol.3

       
マツダも72年秋に「GT」戦線に名乗りをあげた。最初の作品はサバンナGTだ。ロータリーエンジン専用モデルとして登場し、輸出仕様車だったマツダRX-3を国内向けにアレンジし、サバンナGTを名乗らせた。後継モデルのRX‐7でも「GT」は欠かせない存在となっている。

 日産は大ヒットしたスカイラインの二匹目のドジョウを狙い、ブルーバードUにロングノーズ版を設定した。ホイールベースを150mm延ばし、2分割のバーチカルマスクを採用したブルーバードU2000GTである。

 また、軽自動車にもGTを名乗るクルマが出現した。ホンダZやミニカ・スキッパーには「GT」が用意されている。カローラとスプリンターのスポーツモデルとして誕生したレビンとトレノも、2代目になると性格分けがなされ、同時に「GT」も登場した。ライバルのセレステにも1600GTと2000GTが誕生する。

 80年代になるとトヨタが新世代DOHCエンジンを積む「GT」を矢継ぎ早に送り込んだ。プレステージ性の高いスペシャリティーカーのソアラとセリカXX(スープラ)は、オーバー2Lの6気筒エンジンを搭載し、GTの名に恥じない冴えた走りを披露した。AE86レビンとトレノには充実した装備のGTアペックスを新設定している。

 80年代の半ばからは過激なスペックの「GT」が続々と登場するようになった。ラリーで勝つためにDOHCエンジンにターボを組み合わせ、駆動方式をフルタイム4WDとした高性能GTの誕生だ。マツダのファミリアには4WDターボのGT‐Xがあったし、セリカにはGT‐FOURが加わっている。日産のパルサーGTI-Rも痛快なスポーツ4WDだった。

 89年にベールを脱いだ4WDスポーツワゴンのレガシィ・ツーリングワゴンは、リーダーモデルを「GT」と命名した。レガシィのGTシリーズは、快適にロングドライブできるGTの名にふさわしい快速ワゴンだ。

 ダイハツはリッターカーのシャレードに「GT」を設定した。GT‐tiと後継のGT‐XXである。カルタスGT‐iも刺激的な走りを見せつけ、サーキットでも大暴れした。


80年代に入ると新世代DOHCエンジンを積極的に導入することでGTが続々登場。セリカXXはその代表格だ。



ターボエンジンにフルタイム4WD。俊敏なハンドリングのスバルレガシィGT。GTの名にふさわしいクルマといえる。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年6月号 Vol.151(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

全ての画像を見る

ジャパニーズGTカーの誇り 連載記事一覧

text : Hideki Kataoka/片岡英明

RECOMMENDED

RELATED

RANKING