松尾良彦×山下敏男 S30 フェアレディZを語る N2d名物 デザイナー トークショー

日本最大級のクラシックモーターショー、ノスタルジック2デイズのメインステージでは、特別展示車両にかかわった開発者やレジェンドドライバーによるトークショーが行われた。今回は例年以上に豪華ゲストが勢揃い。また、昨年に引き続き現役スーパーGTドライバーの松田次生選手も登場。これらゲストを相手に、司会進行するのはご存知、安東弘樹アナウンサー。アシスタント司会の久遠まいさんとともに、ここでしか聞けない当時の裏話を引き出しした!




松尾良彦×山下敏男 S30 フェアレディZ対談



S30Z デザイナー松尾良彦さん


Z32 デザイナー山下敏男さん


 2019年はフェアレディZにとって節目の年。初代のS30は誕生から50年を迎えた。また、4代目のZ32は平成元年のデビューだから30年になるのだ。そこで初代Zをデザインした松尾良彦さんと4代目のZ32をデザインした山下敏男さんをゲストに迎え、Zを開発したときの苦労話やマル秘エピソードなどを語ってもらった。S30Zを手がけた松尾良彦さんは、

「それまで全天候型のファストバッククーペは、フェラーリやジャガーなど、億万長者だけのものだったのですが、これをお手軽な値段で出してみたい、と思ったのです。最初は4気筒エンジンを積む予定だったのですが、米国で売るなら6気筒だろうと変更しました。これが成功した理由のひとつと言えるでしょうね。北米日産の片山豊さんもクレイモデルを見たときに興奮していました。オープンタイプやワゴンも計画していたのですが、売れすぎたため派生モデルは取りやめました」と、開発の経緯を述べている。また、ヘッドライト周りのデザインについても熱く語った。Z32をデザインした山下敏男さんも

「Zは特別なクルマという意識が強かったですね。常に戦っているという感じでした。S30のプレッシャーは凄いし、社内の風当たりも強いから、根性を入れてデザインしないとダメでしたね。米国に行ったとき余計なことをして失敗するなよ、と言われましたが、S30Zにカウンターを与えられるデザインにしたかった。新しいZを目指しましたが、オマージュとしてヘッドライトはむき出しにこだわっています。シンプルで新しいスポーツカーのスタイルを目指しました」と、開発当時の苦労を語っている。





text:Hideaki Kataoka/片岡英明、Akihiko Ouchi/大内明彦 photo:Motosuke Fujii/藤井元輔

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