グランド・ツーリング、その始まりはスカイライン「GT」という限定車だった|65年式 プリンス スカイライン 2000 GT Vol.1

65年2月に市販ロードカーとして仕様を整え、改めて発売されたスカイライン 2000 GT。

       
【65年式 プリンス スカイライン 2000 GT Vol.1】

日本で「GT」というグレードを認知させ、広めたのは、スカイラインであることは間違いない。グランド・ツーリングの頭文字を取ってGT。その最初のモデルとなったのは、プリンス自動車が1964年5月から100台限定で発売したスカイラインGTだった。

 その登場の経緯は本誌でも過去に多く取り上げているが、2代目スカイラインとして63年11月にデビューしたS50スカイライン1500のノーズに、グロリアに搭載されていた水冷直列6気筒SOHC、G7型エンジンを流用するため、ボディのAピラーから先を200mm延長。独特のフォルムが形作られた。このGTはレース(第2回日本グランプリ)での使用が目的の限定販売車だったため、室内の仕様も簡素なもの。インストルメントパネルの中央に、後付けの丸形タコメーターが1個追加されただけだった。

 スカイラインGTは、モータースポーツ関係者や一部のマニアだけにしか行き渡らなかったが、翌65年2月に、市販ロードカーとして仕様を整え、改めて発売されたのが今回の取材車両でもあるS54スカイライン2000GTだ。シャシー、トランスミッション、サスペンション、ブレーキなどが改良され、エンジンはウエーバーのダブルチョーク・キャブレターを組み合わせてチューニング。 20psのパワーアップを果たして125psの高出力を実現した。ちなみにタコメーターはスピードメーターと並べられ、丸形4連メーターとして再レイアウトされた。



1500シリーズと同じメーターナセルの中に、丸形4連メーターが埋め込まれる。左から油圧計&燃料計、タコメーター、スピードメーター、電流計&水温計。時計、ラジオ、ヒーター、そして木目のステアリングなども標準装備だった。



フロント左右のシートは、当時「バケットタイプ」と称していたようだが、今となってはシートバックの横の張り出しもおとなしく見える。



とても貴重な2000GTオリジナルのシフトノブが装着されている。



グローブボックス下のガーニッシュには「Skyline 2000」のエンブレムが付く。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年6月号 Vol.151(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo: Kazuhisa Masuda/益田和久

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