あえてJDM化け北米仕様280Zを作ったオーナー|76年式 日産 フェアレディZ-T S31 Vol.3

       
北米仕様Zを造るにはパーツ交換すだけではすまなかった。5マイルバンパーを装着するだけでも、ボディ側のリブを加工してやらないと装着できない。

結局、ボディ側のパーツ全部をばらして、パネルから造り直すほどの手間がかかった。外装はまだしも、外から見えない部分にも手を加えた。


 右ハンドルにこだわったおかげで、いろいろな問題も浮上してきた。
苦労したのは左ハンドルに存在しない右側ドアミラー。当時の年式では、ドライバー側にドアミラーが付いているだけだったので、現地で購入したクルマにも右側ドアミラーがなかった。

そこで、国内の友人に頼んで、ワンオフで造ってしまった。左側ミラーから型をとり、左右を反転させて作成。ミラー部は新規作成し、内部機構は軽自動車のカプチーノからパーツを流用している。

 リアランプカバーはあえて国内仕様のオレンジレンズが組み込まれている。
当時、北米の若者たちの間ではやったカスタムだったという。ノーマルでもない、当時の北米スタイルをそのまま再現しているとはさらに驚かされる。

関連記事:排ガス規制に対応し、快適性をも追求した貴婦人S31|76年式 日産 フェアレディZ-T S31 Vol.1


リアサイドに北米仕様の特徴でもある反射板が付く。ウインカーレンズも北米仕様では反射機能を備えている。



L28に換装したエンジンルーム。レーシングエンジンを造るのと同じ工程で、ポート研磨までして完成したノーマルエンジン。

本来、国内仕様ではヘッドカバー奥のサージタンク左側にEGRユニットが付くが、北米仕様では存在しない。ファンの羽根も1枚多い8枚の北米仕様タイプ。



ヒューズボックスカバーはもちろん英語表記。



ホイールカバーは280Z用。ホイールナット位置を合わせて装着すると、スチールホイールのバルブ位置が国内仕様と違っていた。



パーツ取りのクルマが東海岸仕様だったので、コーションラベルも合わせて「NON CATALYST」の文字が印刷された東海岸仕様。



マフラーカッターは北米のディーラーで注文して手に入れた。タイコ回りに見える遮熱プレートが出てこなかったので、中古パーツを送ってもらい、磨いたという。



パーツ取りの左ハンドル280Zが付けていたナンバープレート。


掲載:ノスタルジックヒーロー2010年10月号 Vol.141(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Hideyoshi Takashima/高島秀吉

RECOMMENDED

RELATED

RANKING