NAPS採用から1年! 排ガス規制に対応し、快適性も追求した貴婦人S31|76年式 日産 フェアレディZ-T S31 Vol.1

       
S30シリーズのフェアレディZは、モデル終盤、S130シリーズが発売される2年前の76年にS31へ進化した。

 エンジン回りでの大きな変更はインジェクションの採用だった。また、昭和51年排ガス規制をクリアするため、NAPSを改良し、排ガス循環装置EGRを一部モデルに装着している。

 フェアレディZは75年に昭和50年排ガス規制に対応するため、モデル初のNAPSを採用したが、この時の型式はS30のままで、A-S30と表記されていた。よって、S31が誕生したのはNAPS採用から1年後のことだった。

 S30からS31の変更に伴い、フェンダーミラー形状が変わっている。他はエンブレム類が一部変更された程度で、外見上の大きなデザイン変更は行われていない。インテリアでは快適性を追求し、ライト消し忘れブザーなどが追加されたり、室内装備の充実が図られているのが特徴的。

 また、S31の登場と同時に、最上級グレードとなるZ-Tが追加された。高級乗用車に装備されるようなアルミホイール、電動リモコン式のフェンダーミラー、パワーウインドーなどを標準装備している。S31はスポーツモデルから、快適性をも追求するクルマへの展開を強く印象付けた。

関連記事:アメリカでも1台購入! 必要なパーツを日本へ送り組み上げる|76年式 日産 フェアレディZ-T S31 Vol.2


北米仕様のダットサン280Z


ステアリング、スピードメーター、警告灯などはすべて280Z用。ATポジションプレートも左ハンドル用で、助手席側に文字が記される。



ラゲッジルームのフロアは北米仕様のほうが一段高くなっている。



カバーとフロアとの間に隙間がある。280Z同様にカバー下にある補強用のフレームまで追加してしている。



国内仕様は銀色のブレードになるが、北米仕様と同じ黒タイプに交換。左ハンドル用だと逆になってしまうので、イギリス仕様を装着。



なにげないエンブレムだが、台座の黒い部分の角が丸まっている。本来付いていたエンブレムで、後に角の尖ったタイプへと変更されている。リビルト品も変更後のタイプとなる。

掲載:ノスタルジックヒーロー2010年10月号 Vol.141(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Hideyoshi Takashima/高島秀吉

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