頼んだパーツが「これで最後です」と言われることも|いすゞ FFジェミニ 4ドアセダン イルムシャーターボ Vol.3

       

学生時代に憧れたスタイルを今も大事に維持し続けているオーナー


ジェミニの中でも走りのグレードという印象の強いイルムシャーターボのオーナー杉本さん。

このクルマは購入してからすでに15年が経過したという。学生時代にFFジェミニが登場し、そのデザインに興味を持ったことがきっかけで、以来ずっと気になる存在だった。

購入したのは中古車専門店からで、ボディカラーが劣化していたため、購入直後に全塗装している。

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「当時のいすゞディーラーでは、オペルも取り扱うようになった都合上、高価な専用塗装ブースを導入していたんです。ですので、その工場長に注文を付けずすべてお任せして、しっかりした塗装を再現してもらいました」


 それから15年が経っているとは思えないほど、現在でもジェミニの塗装は状態がいい。

全塗装した職人の腕が良かったこともあるのだろうが、それ以来毎月欠かさず月に1度、専門業者にコーティングを依頼しているのが効いているのだろう。

最近では年齢のせいか、自分で洗車することも減ってしまったという杉本さんだが、毎日通勤で使っているという状況を考えれば、塗装を含めて驚異的なコンディションだ。


 これまで大きな故障もなく過ごしている。



2、3度ラジエターホースから冷却水が噴き出したことがあるというが、走行距離が23万kmを超えた今も、走りに関する不安はない。

だが、内外装のパーツは欠品になって久しく、オリジナル主義の杉本さんにとっては、この状態をいつまで維持できるかが不安材料だそうだ。


「最近は頼んだパーツが『これで最後です』と言われることも多く、もうあまり距離を伸ばすような乗り方はよくないかな、と思っています」


 目下、通勤用のクルマを探している、杉本さんなのだった。


イルムシャー専用のモモ製本革ステアリングホイール。



リアシートは共通品だが、フロントのレカロとカラーコーディネートされている。



ドア内側には多くのポケットが設けられている。こうした配慮も80年代らしさだろう。


FFのクセを最小限に抑え、小型ボディに大人が4人以上しっかり乗れるパッケージング。街の遊撃手と呼ばれるほどのフットワークは、ターボ過給モデルで新たな魅力を追加した。

掲載:ハチマルヒーロー 2010年 05月号 vol.13(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Hidehiro Tanaka/田中秀宏

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