復元カレラ Vol.5|46年の時を「封じ込めた」R360クーペ ついに完成!|R360レストア

       
旧車のレストアという技の奥深さに、改めて感心した……復元カレラが完成させたマツダR360クーペを見た時、心にじわりと響く感動があった。


 何度かお伝えしてきた66年式のトルクドライブ仕様は、ご覧のような仕上がりになった。復元カレラ代表の荻原正彦さんが、自分が乗りたくて所有していたR360クーペをベースにした今回のプロジェクト。最後に投入したレストア技は、クリア塗料を使って46年の時を封じ込めるという手法だった。

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「できあがったR360クーペを何も説明せずに眺めると、サビとかハゲがある古いクルマにしか見えませんが、実は私たちにしかできない、ハイレベルなテクニックを使って仕上げてあるんですよ」と荻原さん。


 まず、長年風雨にさらされ、カサカサになった古い塗装面に、最新のクリア塗料をなじませてくっつける技。何も考えずに塗ってしまうと、含有されているシンナーによって、古い塗装面がたちまちシワだらけなってしまうという。そういうトラブルが起こらないように慎重にクリア塗料を重ねていくのは、プロでも至難の業だ。


ピカピカに磨き込まれたインテリア。だがフロアの一部は、あえて使用感を残して外観とのバランスを考えて仕上げている。



新車当時に張られたであろう「米子マツダ 納」のステッカー。これもクリアの下に埋め込まれている。シンナーに冒されないように塗料を載せる技術は圧巻。



リアフェンダー下部に大きなサビがあるが、一部は穴が開いていた。アクリル系の透明接着剤で穴をふさぎ、その上からクリア塗装するという手法が用いられた。



車台番号の文字は、リアバンパーのすぐ脇にある。

掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年2月号 Vol.149(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Nostalgic Hero/編集部&FUKUGEN CARRERA/復元カレラ

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