「オリジナルでは乗りたくない」このボディにボア&ストロークアップの3136ccのL型を搭載|72年式 日産スカイライン HT 2000 GT-X Vol.2

       

刺激的なパワーと速さを実現

そして間もなくコンディションの良い個体を探し出し、手に入れたという。
ただし、購入後しばらくは車庫で保管しているだけの日々が続くことに。

これは「オリジナルでは乗りたくない。乗るならエンジンから外装まで仕上げてから」というオーナーの新井さんの強いこだわりによるもので、その保管期間はずいぶんと長く続いたそうだ。

そして、友人の車両を探しに訪れた群馬県伊勢崎市のスピリットガレージでさまざまな話をしているうちに、「ここにすべてを任せよう」と一大決心。
晴れて、新井さんのチューニングプロジェクトがスタートした。

 すぐさまエンジンチューンに取りかかったオーナーだったが、このときスピリットガレージに出したオーダーは「とにかく速く、かつ耐久性もあるマシン」ということ。

そこで3.0Lや3.1Lなども候補に挙がったが、「やるなら徹底的に」という新井さんの要望もあり、N42ブロックを使ったボア&ストロークアップのL28型改3.2L仕様に決定。亀有製φ88.5mmピストンと同85mmクランクを組み合わせて3136ccとし、I断面コンロッドや軽量ビッグバルブ、ハイカムなども組んだ正真正銘のフルチューンとなった。

関連記事:街乗りも快適なチューンドハコスカ。300PSオーバーのL28改3.1Lの爆発的パワー|72年式 日産スカイライン HT 2000 GT-X Vol.3


ホイールのカラーに合わせてペイントされたオーバーフェンダーは、オーナーがこだわって選んだサイズのホイールを履くために前後とも幅広加工が施されている。



ミッションはRB用の71Cに換装し、亀有製のクロスを組む。センターコンソール周辺のアルミパネルは、オーナー自らが切り出してヘアライン風に仕上げたもの。



ブレーキのフィーリングアップを狙い、マスターバックレス仕様に。また、スロットルリンケージはガタ付きをなくすためにピロ化されている。



ラジエーターは亀有の3層アルミのサイドタンク式。その前に見えるのは、燃料のパーコレーションを防ぐための燃料クーラー。



フロントブレーキはR32タイプMの4ポットキャリパーを流用。φ290mmのローターを使用することで、14インチのホイールでも装着可能となっている。

Nostalgic SPEED vol.003 2014年 3月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Rino Creative/リノクリエイティブ photo:Makoto Inoue/井上 誠

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