1.6Lで最高出力200psオーバー! 16バルブDOHCヘッドを持つ LZ型エンジンを搭載|サニーエクセレントTSレーシング Vol.2

       
75年に創業したチューニングショップの老舗「スピードショップ クボ(SS KUBO)」の代表の久保靖夫さんは、2輪の「城北ライダース」創設メンバーとして数々のレースに参戦。東名自動車の設立に参加し、日本のレース黎明期に活躍。

コジマ・エンジニアリングのスタッフとして、当時のFJ1300やF2のメンテナンスを担当。76年に日本初開催となるF1グランプリにも参加。SS KUBOを開業した後は、レースで培ったノウハウを生かし、数々のチューニングカーを手がけた。

その代表格となるのが、76年に谷田部のチューニングカーテストで、最速の240.8km/hをマークしたGノーズを装着したS30Zだ。このZのエンジンこそ、当時国内では入手不可能だったL28型エンジンだった。
 

 SS KUBOでエクセレントの作業がスタートしたのは08年のこと。貴重なLZ型エンジンのフルOHをはじめ、TSレーシング仕様のボディの修復、足回り、ブレーキ、駆動系、内装にいたるまで、当時のレース用パーツが惜しみなく使われ、約2年がかりで組み上げられた。


16バルブDOHCヘッドを開発し、200psオーバーのレーシングユニット「LZ型」エンジンで挑んだ日産ワークス。結果は優勝台を独占した。



アルミ合金製のDOHCヘッドは、ヘッド自体にカムを装着しないカムホルダー式を採用。カムシャフトは専用のダブルローラーチェーンで駆動される。


バルブ挟角34度、浅いペントルーフ型燃焼室が採用された。バルブはチタン製で、バルブリフターとシムはS20型と同じ形状だ。また、ピストンはドイツのマーレー製のフラットヘッドで、深めのバルブリセスが切られていて、圧縮比は11.5〜12.0の設定。コンロッドは鍛造スチール製のI断面タイプ。小端部にエリマキ状の補強がされていて、鏡面研磨されている。



運転席の右側足元には、点火系のコンピュータを装着。アクセル開度は、キャブのバタフライシャフトから取っている。


コンソール奥のスペースには、ドライバッテリーを設置。



フロントのストラットはレース用車高調整式で、取り付け位置を変更できるピロアッパーマウントを持つ。ブレーキは13インチホイールに対応するMK63キャリパーだ。

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Nostalgic SPEED vol.003 2014年 3月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功、Ryoutetu Kamisato/神里亮徹

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