770kgのR! 100㎏の軽量化は30ps相当。別次元のポテンシャル|GT-R サービス ワタナベ|72年式 日産スカイラインHT 2000 GT-R Vol.3

       
メカニカルな部分もさることながら、このGT-Rの最大のポイントになるのは、実測770㎏という軽さにある。


「当時の日産ファクトリーの人が、100㎏軽量したら、30psアップになるといっていたのが大きく影響している」と渡辺さんが語るように、大胆な軽量化が施されているのだ。

ボディの各パネルはドライカーボンに、ウインドーはフロント以外はポリカーボネートに変更。

各部を穴開け、肉抜き加工を施している。

また、走るために必要な装備以外は全て取り外されており、内張り、リアシートなどはない。

また、純正部品に見えるパーツも、スチール製からアルミ製に作り替えるなど、数え切れないノウハウが集積されているのだ。

関連記事:GT-Rの神様が製作した戦闘機|GT-R サービス ワタナベ|72年式 日産スカイラインHT 2000 GT-R Vol.1


 この超軽量ボディとフルチューンS20型エンジンの組み合わせは、まさに異次元の走りを実現。

もともと低回転域ではトルクが薄いハズだが、スタートから一気にフル加速。

さらに、2→3速へシフトアップした時も、加速のよどみが全くない。

どんどんスピードが乗っていくようなフィーリングだった。


 この超軽量GT‐Rはいまだ完成形ではなく、開発は現在も進行中。

さらに軽量化できるプランを練っている。





センターコンソール上段にはデジタル式水温計を装着。





オーバーフェンダーは、純正と同型のドライカーボン製に変更。ホイールはRSワタナベのマグネシウム製で、重量増を嫌って14インチを装着。フロントが6.5J、リアが7.5J。




デフは純正のR192からR180に変更し、ファイナルは4.625、4ピニオンLSDを組み込んでいる。





キャブレターはウエーバー48DCO/SP。ファンネルは前方に向けて角度を付けたチタン製。燃料デリバリーパイプやリンケージ類もワンオフだ。





ドライカーボン製のトランクリッドを装着し、ヒンジ部分をアルミで製作。肉抜き加工がスゴイ。





オイルキャッチタンクは、フェラーリのシステムを参考にし、セパレーターもアルミ製を製作した。




掲載:ノスタルジックヒーロー 2011年12月号 Vol.148(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Nobutaka Koremoto/是本信高

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