街乗りもこなす痛快ドラッグスター|マツダ ファミリア ロータリーTSS ドラッグ仕様 Vol.2

       
人を驚かすために極太のドラッグタイヤを収めるだけなら誰でも(というのも少々乱暴だが)できる。

それをしっかりと走らせ、日常でも楽しんで乗れるようにするには、さまざまな知恵と工夫が必要。石垣さんは、自らの経験と、自動車部品メーカーに勤務するという職場環境を生かし、専門家に依頼する部分はプロに依頼し、自分でできることは自分で行い、楽しみ(苦しみ?)ながらトライ&エラーを繰り返し、製作を続けてきた。

 外観のモディファイは最小限にとどめ、エンジンはオリジナルの10A型から12A型へ換装。10Aはエンジンマウントが左右にあるのに対し12Aはフロント2点のため、ブラケットを製作し搭載。さらにキャブレターは、セッティングの出しやすいOERを使用し、ワンオフ加工のインマニを介してサイドドラフトに。

これは日ごろの使い勝手だけでなく、エアクリーナーをエンジンルーム中央に配置することで見た目のバランスを整えたいという配慮から。性能とともにルックスも追求するクルマ造りはなんともオシャレだ。

関連記事:後ろのフロアをごっそりカット! 「こっそり」ドラッグスター|マツダ ファミリア ロータリーTSS ドラッグ仕様 Vol.3


小さなセダンボディに極太のドラッグタイヤ。ファットでファニーなスタイリングは見るものをあっと言わせる。



フロアの中央は完全にシースルー状態。ナロードされたリアエンドの状態やサスペンションの構造などが丸わかり。普段は肉厚のアクリルボードとステンレスパネルでふさいでいる。デフは日産R190でLSDは未装着。プロペラシャフトは振動が大きく出ないように、VG20型エンジン搭載車用の2分割プロペラシャフトを使用し、フロント寄りの位置でつないでいる。



ドラッグホイールとしてのおなじみのウェルドのホイールと、同じくドラッグタイヤとして名高いフージャーのタイヤ……、かと思っていたら、通常のラジアルだった! サイドのロゴを削ってレタリングでリペイント。サイズの制約やストリートでの走行を考慮して一般的なラジアルタイヤを使いながら思いっきりそれっぽい雰囲気を出している。実にシャレが効いている。



フロントホイールはなんとダイハツネイキッド用。自分で全面ポリッシュし、PCDチェンジャーを使い、センターハブ加工を施して装着。



T形ダッシュボードが特徴的なTSSのインテリアは、オリジナルから大幅な改造は施していない。



ノスタルジックヒーロー  vol.146 2011年 08月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:HIRANO AKIO/平野 陽

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