伝説のはじまり。初代GT-Rにプロトタイプがあった!|68年式 スカイライン 2000 GT東京モーターショー参考出品車レプリカ Vol.1

1968年東京モーターショーに参考出品されたGT-Rのプロトタイプ車を充実に再現した。

       
●日産スカイライン 2000 GT 1968年東京モーターショー参考出品車レプリカ

クルマ好きにとってモーターショーは、わくわくした気持ちになれる特別な空間だ。  
時はさかのぼって1968年10月26日。東京・晴海の国際貿易センターを会場に、17日間にわたって第15回東京モーターショーが開かれていた。



1968年東京モーターショーに参考出品されたGT-Rのプロトタイプ車を充実に再現した。

この年のモーターショーでは、当時の運輸省が型式認定を受けていない車両の展示を1社1台に限定したこともあり、形だけのショーカーはほとんどなくなった。そのため各自動車メーカーのブースには、現行生産車か近く発売予定のクルマのみが展示されていたのだ。
 日産のブースには、それぞれ一段高い展示台に載せられた2台のスカイラインがあった。共にシルバーに塗られた4ドアボディで、1台はモーターショーの直前に発売されたスカイライン2000GTだった。

関連記事:エンブレムも違う! 市販されたGT-Rとプロトタイプの違いとは?|68年式 スカイライン 2000 GT東京モーターショー参考出品車レプリカ Vol.2

 
 先代(S54)スカイライン2000GT-Aに相当するモデルで、シングルキャブレターの2L直列6気筒SOHC、L20型エンジンを搭載していた。86万円の車両価格も発表され、自分たちが買える憧れのグランドツーリングカーということで、来場者たちは熱心にその姿を眺めていた。

 そしてもう1台の4ドアスカイライン。外観の派手さこそないものの、クルマ好きの来場者にとっては、まさにビックリするような仕様だった。

 傍らに掲げられた看板には「R380エンジン搭載車」とある。スカイライン2000GTの参考出品車としてお披露目されたこのクルマこそ、後にPGC10スカイライン2000GT-Rとしてデビューする車両のプロトタイプだったのだ。つまりGT-R伝説、その序章はここから始まったのだ。




GTプロトタイプに装着されていたカムカバーの実物。
今回レプリカを制作するにあたり、量産仕様のS20型エンジンに装着した。
付けるにあたっては、6本あるスタッドボルトの長さが足りず、ボルトを10mm延長する加工が必要だった。




量産仕様のカムカバーは、NISSANと2000の浮き出し文字が1対しかなく、書体も微妙に異なる。




レプリカのエンジン全体の様子。エアクリーナーボックスとタコ足も量産仕様とは形状が違うものに交換している。



掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年2月号 Vol.149(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo : Takashi Akamatsu/赤松 孝

RECOMMENDED

RELATED

RANKING