7台すべて現存しているらしい「赤いケンメリGT-R」|73年式 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.2

       

197分の7台、すべて現存

●73年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R

 ケンメリ・スカイラインのカタログをチェックしてみると、イメージカラーのブルーメタリックやホワイト、シルバー、ディープグリーンというボディカラーの写真は見かけるが、レッドは見当たらない。

 唯一、前期の「ハードトップ1600・1800」のカタログに掲載されているのみだ。しかも、「ボディカラーはオーダーメイド色です」と記されていることから、標準色としてレッドは存在しないはずなのだ。



 30年以上前に購入し、いまだにノンレストアで走り回っているということもあって、多少のキズや塗装がハゲた部分などもあるが、サビや腐りはなく、GT-Rらしい風格が漂う。後付けのドアモールも当時モノだ

関連記事:走るGT-Rにこだわり、12万km超を走破したケンメリ|73年式 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.3

 また、GT-Rのカタログにはボディカラーの記載はなく、使われている写真はシルバーのみ。どういう経緯で赤いケンメリGT-Rが7台生産されることになったかは謎だが、実際に7台は現存しているようだ。

 貴重な7台の内の1台は、日産の座間記念庫に保管されており、各地の日産ディーラーのイベントなどで展示されたことがあるので、見たことがある人も多いはずだ。残りは6台で、その内の1台が、今回紹介する矢島さんが所有しているクルマだ。

 矢島さんの赤いケンメリGT-Rは、車台番号KPGC110‐0001**。購入してから32年が経つという。そもそも、中学生の頃からGT-Rに憧れていて、社会人になってハコスカ4ドアのGT-Rを購入するつもりで、あちこち探し回っていたそうだ。

 そうこうするうちに、たまたま近所にケンメリGT-Rが売りに出ていると聞き、購入することになったのが、この赤いケンメリGT-Rだったという。

 購入した20代の頃は、グラチャンを観戦しに行った富士スピードウェイで、「本物ですか?」と聞かれたり、オーバーフェンダー付きということで警察に止められることも多かったそうだ。

 また、当時は冬はスパイクタイヤを履いて走り回っていて、家族であちこちに出かけた思い出も詰まっている。

 現在の仕様は、ほぼ購入当時のままで、エンジンは85年4月にスポーツコーナーでOH。また、ブレーキはMk63に変更し、R192のデフには、オプションのフィン付きカバーを装着している。

 最近は雨の日には乗らないようにしているが、富士スピードウェイの走行会では好調ぶりを発揮していた。




キャブレターはノーマルのミクニソレックス40PHH。エアクリーナーBOXを外し、ファンネル仕様に変更しているのは、カタログの仕様に憧れて、同じ仕様にしたかったからだ。




エキゾーストマニホールドはケンメリGT-Rの純正。ハコスカGT-Rとは形状が異なり、432と同じ形状となっている。




GT-Rの象徴といもえるS20型エンジンは、1985年4月にスポーツコーナーにてOH。また、ストラットタワーバーを追加してコーナリング時の剛性アップを図る。




GT-R純正のR192デフには、貴重なオプションのフィン付きアルミ製カバーを装着。




出口がスラッシュカットのスプリントマフラーが10数年前に再販され、ハコスカ用を入手し、加工して装着している。



掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年2月号 Vol.149(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo : Isao Yatsui/谷井 功

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