600プルマンもフルレストアに! 「ヤナセブランド」を背負った補修とレストア|ヤナセクラシックカーセンター Vol.2

ヤナセが輸入したW100メルセデス・ベンツ600プルマンの9台のうちの1台をレストア

       
●ヤナセクラシックカーセンター

歴史を受け継ぎ若き従業員も作業に従事。ヤナセの歴史は続いていく。 


ヤナセは、クラシックモデルの補修やレストアを手掛ける事業ヤナセクラシックカーセンターを、2018年に開設。

 すでに多くのユーザーから問い合わせが届いているというが、それはこれまでヤナセが積み上げてきた「ヤナセブランド」の安心感からに違いない。まさに多くの人に信頼されている証といえる。

 しかし、現状は工場キャパに対して当初の想定以上に多数のレストア依頼があり、新規のお客さまのご依頼をお待ちいただている状況だと言う。


ヤナセが輸入したW100メルセデス・ベンツ600プルマンの9台のうちの1台で、オーナーは佐賀県在住の吉原和秀さん。一度手放したが、再度手に入れてヤナセにフルレストアを依頼した。



 ファクトリー内では、若き従業員も作業に当たっている。彼らこそ、ヤナセが蓄積してきたノウハウを受け継いでいく重要な人材だ。実際、マニュアルや整備解説書では分からない、ヤナセならではのノウハウも多いと言う。

 それらは先輩たちが作り上げた膨大な整備メモに残されており、クラシックカーを扱ううえで貴重な資料となっている。まさにヤナセが積み上げてきた歴史が信頼につながる一例だ。

 もちろんクラシックパーツの入手についても、メルセデス・ベンツやフォルクスワーゲン、アウディなど各インポーターとの太いパイプを通じパーツを確保している。さらにドイツやアメリカのパーツサプライヤーとの親密な関係やヤナセのネットワークを通じて、ヤングタイマーのモデルならばしっかり対応できる体制を整えていると言う。

 さらにミッションやステアリング、アクスル類のリビルトも手がけており、一部はメーカー純正リビルト品としても採用されている。 「パーツ供給に関してもかなりの反響がありまして、うれしい限りなのですが、ご入庫いただいて整備の過程で改めて必要なパーツを決める手法をとらせていただいています」とヤナセオートシステムズの西田学取締役。

 クラシックモデルに関する事業は、どの分野も大盛況だ。これこそヤナセブランドの信頼性であり、決してそれを裏切らない高品質な仕事ぶりがあるからこそだ。乗って楽しむお客さまを全方位でサポートすることが、ヤナセのモットーなのである。




佐賀県在住の吉原和秀さんがレストアを依頼したW100メルセデス・ベンツ600プルマン。

全シート、全ドアトリム、インパネなどの張替え、木目補修、メッキ部のリメッキなどに加え、パワーウインドーなどの油圧制御やエアサスなどの機能を吉原さんからの要望で電動化している。

オリジナルテイストを守りつつも、現代でも使いやすい設定へのモディファイも手がけている。




アルミボディ専用ストールで、スチールボディのブースとはしっかり距離をとって、粉塵爆発を起こさないように配慮されている。もちろん腐食を防止するためでもある。




スチールボディ用の板金塗装の作業場。外板のゆがみもしっかり補正する。若手のスタッフが担当しているが、ヤナセのノウハウをしっかり継承している。




オートマチックトランスミッションやオルタネーターなどの再生を行う部署。メルセデス・ベンツの純正リビルトメーカーとして、多くのリビルト品を生産している。




エンジン内部のピストン、カムシャフトやバルブ系などのパーツもしっかりと補修・洗浄してリビルトしている。



掲載:ノスタルジックヒーロー 2019年10月号 Vol.195(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:NostalgicHero/編集部 photo:Ryota Sato/佐藤亮太

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