全部バラバラにして組み直す! メーカーが正式に取り組む旧車のレストア|マツダ ロードスター レストアサービス Vol.1

基本メニューでは車体から部品がすべて外され、洗浄し、古い塗装を手作業で剥離する。

       
●ロードスターレストアサービス

 2019年に発売30周年を迎えた初代(NA)ロードスターのレストアサービスを、マツダが正式にスタートさせたのは、2017年12月だ。

 正式に受付を開始する前から、同サービスについて、さまざまな場所で、その構想やサービス内容についてアナウンスをしながら、着々と受け入れ態勢を整え、サービス開始に備えてきた。その準備は、マツダの社内態勢を整えるのはもちろん、当時の純正部品を製造・納入していた、サプライヤーにまで及んでいる。



関連記事:受け入れ体制も強化中! タイヤやホイールはもちろん、コーションラベルまで復刻!|マツダ ロードスター レストアサービス Vol.2

基本メニューでは、車体から部品がすべて外され、洗浄し、古い塗装を手作業で剥離する。そのうえで、防錆プライマリー塗装が行われ、チッピング塗装、アンダーコート、サフェーサー、サンディング、中塗り、上塗りをしたあとで磨きが行われ、最後にクリアコートが掛けられる。



 例えばタイヤについては、ブリヂストンに当時の操縦安定性を再現するタイヤの再製造を依頼。当時と全く同じ素材や環境を揃えることはできないため、現在の状況下において、当時のパフォーマンスとフィーリングに最適な解を求めて、何度もテストを行い開発を進めてきた。単に当時と同じトレッドパターンを復刻させただけの部品ではないのだ。こうした復刻部品へのこだわりは、ソフトトップやステアリングなど、すみずみにまで及んでいる。

 NDロードスターの主査を務め、現在はロードスターアンバサダーとして、このNAロードスターのレストアサービスを推進させてきた山本修弘さんは、常々、このレストアサービスを実現させたのは、ロードスターファンの愛情であると口にしている。だが、その言葉の裏には、メーカーとして、正式にレストアサービスをスタートさせるための苦労が隠されてもいる。



ドイツにある技術・安全・証明サービスに関して歴史と権威のある第三者機関であるTUV(テュフ)より、クラシックカーガレージの認定取得は、マツダが世界で初めてとなった。




テュフからの追加認証を受け、板金作業が可能になった。2号車ではリアフェンダーの板金修理が行われた。






ノスタルジック2デイズなどのクラシックカーイベントへの出展や、ロードスター軽井沢ミーティングへの参加を通じて、積極的にユーザーとのコミュニケーションを重ねてきた。生の声を拾って反映させることで、ユーザー目線に立ったサービスを実現している。




掲載:ノスタルジックヒーロー 2019年10月号 Vol.195(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部

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