ジェミニ! 昔は乗用車もつくっていた。31台のクルマたちが集ういすゞプラザ|いすゞ自動車の歴史と技術を、次世代へ継承する Vol.1 

いすゞプラザに収容されているクルマたち

       
●エルフ誕生60周年を迎えたいすゞ自動車

現在ではトラックやバスなどの商用車メーカーとして知られるいすゞ自動車だが、旧車ファンに人気の高い117クーペやベレット、ジェミニといったさまざまな乗用車を生産していたという過去も持つ、歴史あるメーカーだということをご存知だろう。


いすゞプラザ 
住所:神奈川県藤沢市土棚8 いすゞプラザ TEL:0466-41-5811 開館日:火〜金曜日(完全予約制) 土曜日、祝日(自由見学日)
開館時間:10:00〜17:00(受付16:00まで) 休館日:日、月曜日(祝日の場合は翌平日)、ゴールデンウィーク、夏季休暇、年末年始
入館料:無料 ホームページ:https://www.isuzu.co.jp/plaza/

 *2020年3月1日〜4月30日まで臨時休館中。状況により延長の可能性があります。

関連記事:マイクロフィルムに保管されていた図面たち|いすゞ自動車の歴史と技術を、次世代へ継承する Vol.2 


 そんないすゞ自動車が取り組んでいるのが、過去に生産してきた乗用車や商用車を修復して保存する、レストア事業である。

 いすゞ自動車がこのレストア活動を開始したのはおよそ15年前のこと。2004年に組織改革があり、それまで工場の片隅や倉庫に保管されているだけだった過去の乗用車を試作部へ移管。きちんとレストアすることとなったのである。

 2008年からは事業の目的を明確化。技能伝承教育の一環という点が掲げられた。直接的に現在の車両開発に生かせるわけではないが、自社が過去に造り出してきたクルマたちと、そこに注ぎ込まれた技術を伝えていこう、というわけだ。

 そうしてレストア活動にも予算が付き、本格的に古いクルマの活用が開始されたのである。

 レストアされたクルマは、モーターショーや各種旧車イベントなどに展示。最近では2013年のモーターショーのウーズレー、2015年のTX80などを見たという人もいるだろう。

 さらに2017年に「いすゞプラザ」がオープンすることが決まると、2015年頃からその準備としてレストア活動が活発化。現在では合計31台のクルマを保有し、一部の車両については、いすゞプラザや藤沢工場のエントランスホールなどに、定期的に車両を入れ替えつつ展示されている。






いすゞプラザに展示されている117クーペ。言わずと知れたいすゞ自動車の乗用車を代表する1台。ハンドメイドと呼ばれる初期型モデルで、ボディラインの美しさがよくわかる、完璧なレストアが施されている。




劣化しやすい内装のシート表皮やダッシュボードなども、当時と変わらない美しさが再現されている。




エキゾーストマニホールドに施された結晶塗装は、グレーの色合いを調べ上げて、当時のカラーを再現している。




117クーペのサイレンサーは、現車のものが腐食で修復不可能だったため、社内に残っていた図面をもとに製作された。



掲載:ノスタルジックヒーロー 2019年10月号 Vol.195(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Satoshi Kamimura/神村 聖

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